2024/05/07
宗派を変えるのはアリなのか? ナシなのか?
「お寺って、自分で選べないんですか?」
これはすごくよく聞かれる質問です。
分家初代は選ぶ事ができます。本家を継ぐ人は本家の宗派を変えません。
引っ越しなどで遠方になった場合、同じ宗派でお寺を変える場合もあります。
私は「お寺を変えたい。宗派を変えたい」という方に、「何故変えたいと思うのですか?」と聞くと
「お布施が高い」とか、「住職さんと喧嘩した」「住職さんに嫌な事言われた」等の答えが返ってきます。
住職さんも人間、私たちも人間
お互い人間ですから、話しやすい人、何となく気が合わない人がいると思います
しかし、そんな個人的な理由で、お寺とのお付き合いを変えてはいけません。
自分勝手な理由で家の宗教宗派を変えると、家運が衰退します
ご先祖様が、お世話になっているのですから、そのご縁を子孫が勝手に切るのは良くない事です
いろいろな教えがありますから、個人的に学ぶのは、どの宗教でどれだけ学ぶも自由です。
しかし、家の宗派は先祖が先祖から受け継いできたもの。
本家を継ぐ人は、その伝統もまとめて引き継ぎましょう。
なぜなら、先祖がいる場合、「法事」があるからです。法事をしない家は衰退します。
しかし法事は、複数の先祖をまとめて行う事ができます「供養は千日早くても良い」という言葉もあるように、3年以内くらいは、前倒しで行う事ができるのです。
例えば、父の三回忌と母の七回忌、祖母の三十三回忌を一緒に行うというのもOKです
そして、法事の時には、死者である先祖は「その宗派のお経を」期待しています。それが、別の宗派だったり、お坊さんを呼んでもらえなかったり・・・
というのは、先祖の期待に外れる事になります。
「あのお坊さん苦手だな」と感じたとすれば、それは原因があるのでしょう。お坊さん達は「礼儀と作法」を徹底して学んでいます。
なので、失礼があった場合、それを指摘される事があるかもしれません。
それを「嫌な事言われた」と受け取るか「教えて頂いた」と受け取るかは、あなたの問題です。教えてもらえば、次、恥をかかなくて済むものです。知らなくて何度も恥をかくより良いではありませんか。
お布施の額は相談に乗ってもらえます(ほとんどの場合)
お布施の額は、本来「お気持ち」です。
しかし、住職は本堂を維持管理していかなければなりません。だから、お布施は必要なのです。
お賽銭や寄付、お布施をケチると、自分の金運が上がりずらくなるから不思議です
多くの住職さんは「檀家さん」をとても大切に思っていますから、本気でお布施が厳しい場合、相談してみてください。
私の知っているお坊さんは、ほとんどの方が、相談に乗ってくださいます。
仕事柄、住職さんや神主さんとお話する事は多いのですが、設備を直したり、新築したりする場合
「できるだけ寄付を集めないで済むように」「できるだけ檀家さんの負担にならないように」「それでも檀家さんが満足されるように」ととても気を使われています
住職さんとのお付き合いが苦痛に感じる方は、まず、自分のプライドを捨てて、住職さんにご相談なさってみてください。
お寺を変えるかどうかは、それから判断しても遅くはありません。
人間同士のトラブルのほとんどは「誤解」から来ているのですから。「話せばわかり合える事」だらけです。
個人的に、信仰している宗教・宗派がある場合、そちらにも供養をお願いしてOKです
二重に供養してもやり過ぎにはなりません。
ただ、家の菩提寺を無視してはいけないという事です。
他人なのに、私の家族を知っててくれる存在
これは私の家の話です
三代目の石職人だった祖父が亡くなり、葬儀、初盆、初彼岸、一周忌、三回忌が終わりました。
まいどまいど、菩提寺の住職さんが、若いころの祖父の話をしてくださるのです。
そして、毎回しっかりをお経を上げて下さる。やっぱり「ありがたい」と感じます。
いまや、ネットでもお坊さんをお願いできる時代。便利になったものです。
しかし、この住職から聞かされる「祖父の話」というのは、とても輝いて感じるのです。
温かい人間関係なのです。特に、家族との別れを経験した者にとっては・・・。
「日本人は、この温かい文化を手放してはいけない」そう感じます。
陰宅風水鑑定士 鷹觜夕月